フリーランスにとって保険は重要!公的保険から民間保険まで種類と重要な理由を徹底解説

フリーランスにとって保険は重要!公的保険から民間保険まで種類と重要な理由を徹底解説

フリーランスは自由な働き方が魅力的な一方で、会社員のような福利厚生がないデメリットもあります。特に保険は病気やケガ、大きな損失に備えるために重要です。フリーランスは仕事が不安定なケースが多いため、保険の役割がより重要です。

この記事では、フリーランスにとって重要な保険の種類と重要な理由を詳しく解説します。最後まで読めば、公的保険と民間保険の内容が理解でき、どの保険に加入するべきか判断しやすくなります。

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フリーランスに必要な保険の基礎知識

フリーランスに必要な保険の基本

フリーランスとして安定した働き方を目指すうえで、保険は非常に重要です。保険にはさまざまな種類があるため、自分の仕事やライフスタイルに合わせて適切な保険を選びましょう。フリーランスに必要な保険の基礎知識を以下の2点から解説します。

  • フリーランスにとって保険が重要な理由
  • フリーランスにとって重要な保険の種類

フリーランスにとって保険が重要な理由

フリーランスにとって保険が重要な理由

フリーランスにとって、保険は万が一のリスク、大きな損失への備えのために重要です。

会社からの保障がある会社員とは異なり、フリーランスは病気やケガで仕事ができなくなった場合に自分で備える必要があります。こういった経済的リスクをカバーするのも保険の役割の一つです。

家族を扶養している場合は特に備えが必要です。フリーランスは健康保険や年金も自分で管理する必要があります。自分の意思でさまざまな選択肢から保険を選べるため、フリーランス特有のリスクにも対応したものを選びましょう

事業活動中には、損害賠償の発生やプロジェクトの中断、顧客の支払い遅延といったリスクもあります。予期せぬ事態に対応するときにも、保険は強力なサポート役になります。

フリーランスにとって重要な保険の種類

フリーランスは自分で保険に加入する必要があるため、保険の種類をしっかり理解することが大切です。

公的保険として、病気やケガで医療を受けた際に役立つ「国民健康保険」と老後の生活を支える「国民年金」があります。日本は国民皆保険のため、健康保険や厚生年金に加入していない場合、国民健康保険と国民年金への加入は義務です。後述する制度を利用すれば、国民健康保険の代わりに前職の健康保険を継続することもできます。

公的保険とは異なり、民間保険の加入は任意です。フリーランスが検討すべき民間保険については、以下の一覧表を参考にしてください。

保険の種類内容
医療保険病気やケガの医療費に備える保険
死亡保険(生命保険)死亡や高度障害に備える保険
所得補償保険病気やケガで働けなくなったときの収入減少に備える保険
賠償責任保険仕事上の失敗による損害賠償に備える保険

フリーランスとして安定した働き方をするために、それぞれの保険の内容を理解し、適切な保険に加入しましょう。

フリーランスの公的保険

フリーランスの公的保険と年金

フリーランスは会社員と異なり、公的保険の手続きを自分で行う必要があります。公的保険は、生活するうえで大切なセーフティーネットです。以下では、それぞれの制度の概要を解説します。

  • 健康保険(任意継続被保険者制度)
  • 国民健康保険
  • 国民年金

健康保険(任意継続被保険者制度)

任意継続被保険者制度は、会社を辞めた後でも以前加入していた健康保険組合の保険を継続できる制度です。健康保険と国民健康保険のどちらが良いかは、個々人の保険料や扶養状況によって異なります。国民健康保険の保険料については役所に確認してみましょう。

健康保険国民健康保険
扶養の制度ありなし
保険料退職時の約2倍
(全額自己負担のため)
健康保険より
安い可能性あり

健康保険(任意継続被保険者制度)は、退職前に2ヶ月以上継続して加入していること、退職日の翌日から20日以内に申し込むことが必要です。健康保険は最長で2年間継続可能で、前職と同じ健康保険組合のサービスを受けられます。ただし、在職中に会社が半額負担していた保険料は全額自己負担になります。

申込みの際は、退職証明書や健康保険被保険者証などの書類が必要です。書類を事前に準備しておけば、スムーズに手続きが進められます。

国民健康保険

国民健康保険は、他の公的医療保険に加入していないすべての人が加入する必要がある医療保険です。会社員の方は、会社の健康保険に加入しています。一方で、健康保険に加入していない場合は、国民健康保険に加入する必要があります。

国民健康保険は健康保険と同じく、医療機関で健康保険証を提示すると費用の自己負担が一部(通常は3割)になるため、病気やケガの際の負担軽減が可能です。支払う保険料は、居住地や年齢、前年収入、自治体によって違いがあります。

毎年保険料の再計算と調整があり、支払う額は収入に応じて変わります。出産時や高額医療費が発生した際には、給付を受けることも可能です。

独立ではなく、純粋に失業や退職した場合でも、失業保険とは別の手続きを行い国民健康保険に加入する必要があります。引っ越しや家族構成の変更があった場合は、所轄の市区町村役場での手続きも必要です。

国民年金

国民年金は、他の公的年金に加入していない20歳以上60歳未満のすべての人が加入する必要がある年金制度です。会社員の方は、厚生年金に加入しています。一方で、厚生年金に加入していない場合は、国民年金に加入する必要があります。

年金は老後の生活に備えるために重要な制度です。保険料の金額は全国一律で、年金額は納付実績に基づいて算出されます。長期間保険料を納めれば、老後には老齢基礎年金の受給が可能です。「付加保険料」を追加納付することで、年金額を増やすこともできます。保険料の未納があると将来の年金額が減少するため、注意が必要です。

障害を負ったり家族が亡くなったりしたときには、障害基礎年金や遺族基礎年金が支給されます。障害基礎年金や遺族基礎年金は、一定の条件を満たせば短期間の保険料支払いでも給付を受けられる可能性があります。

収入が少ない人や学生は、保険料の免除や納付猶予(納付できるようになってから追納すること)が可能です。国民年金の保険料は、社会保険料控除の対象になるため節税できます。国民年金制度を理解し、適切に保険料を納めることは、将来の安心につながるためとても重要です。

フリーランスが検討すべき民間保険

フリーランスが検討すべき民間保険

民間保険は公的保険の不足分の備えをカバーできる保険です。民間保険にはさまざまな選択肢があり、自分のリスクに合わせたプランを選ぶことが重要です。特約やオプションを利用し、保険のカバー範囲を拡大できます。保険を選択する際は、適切な保険金額を設定することが重要です。保険の入りすぎも家計を圧迫するため注意しましょう

フリーランスは健康面の問題や収入の不安定さ、仕事中のトラブルなど、多くのリスクを自分で管理する必要があります。フリーランスとして安心して生活するためには、公的保険だけでなく、民間保険に対する理解も欠かせません。フリーランスが検討すべき民間保険は、以下の4つです。

  • 医療保険
  • 死亡保険(生命保険)
  • 所得補償保険
  • 賠償責任保険

医療保険は、医療費の自己負担額増加に備える意味で人気が高まっています。家族を経済的に守るための死亡保険(生命保険)への加入も検討してください。収入が不安定なフリーランスには、所得補償保険が適しています。事業活動中のリスクを考慮し、賠償責任保険を検討するのもおすすめです。

火災保険と自動車保険は記載していないですが、会社員・フリーランスに関わらず重要な保険です。どちらも万が一の損失が大きく、自己負担だけで備えることは現実的ではないため、賃貸や持ち家、車や運転がある方は加入を検討してください。

医療保険

医療保険

医療保険は、病気やケガの医療費に備える保険です。医療保険は高額な治療費や手術費用に備えて設計されており、入院日額給付金や手術給付金などの保障内容が付きます。

保険を選ぶ際は、保障の対象(給付条件)や期間、金額、保険料などのバランスを総合的に見極めることが重要です。例えば、保険選びで考慮する要素として以下が挙げられます。

  • 長期にわたる入院や通院への保障
  • 手術や治療への保障
  • 重大疾患に対応する特約の有無
  • 定期型か終身型か
  • 掛け捨て型か貯蓄型か

病気やケガの医療費については、医療保険の代わりに、貯金と高額療養費制度でカバーする方法も有効です。

死亡保険(生命保険)

死亡保険(生命保険)は、死亡や高度障害に備える保険です。死亡保険(生命保険)には、主に定期保険と終身保険の二種類のタイプがあります。

定期保険は設定された保障期間の間だけ保障が受けられ、保険料は比較的安く設定されています。一方、終身保険は生涯にわたって保障を受けることができ、貯蓄性を兼ね備えた商品もあるのが特徴です。

万が一の際は死亡保険金を葬儀や家族の生活資金、子どもの教育資金などに用い、将来への不安を軽減できます。保険料控除を利用すれば、節税効果も得られます。

死亡保険(生命保険)に限った話ではありませんが、保険の加入を検討する際には、複数の保険会社の商品を比較し、条件や特約を確認しましょう。

所得補償保険

所得補償保険

所得補償保険は病気やケガで働けなくなったときに、一定期間所得を補償する保険です。選んだプランに応じた月額の給付金を受け取れ、生活費や治療費の助けになります。フリーランスや収入が不安定な職業の方にとっては、収入が途絶えたときの安心材料になります。

給付金申請する際は、医師の診断書が求められるケースが多いです。給付金は所得の減少が認められたときに開始し、復職または期間満了により終了します。保険料は、職業や年齢、健康状態によって変わるため、自分にあったプランを選ぶことが大切です。

所得補償保険は医療費そのものをカバーするわけではありません。医療保険とは違う点に注意が必要です。日常生活に必要な資金を援助する保険のため、精神疾患など働けない期間が不明確な場合は補償の対象外になる場合もあります。

賠償責任保険

賠償責任保険は提供する商品やサービスが原因で第三者に損害を与えた場合の損害賠償に備える保険です。特にコンサルタントやエンジニアのような仕事では、失敗によって高額な損害賠償を招く可能性があります。

賠償責任保険があれば、訴訟費用や弁護士費用などがカバーされるため、安心して業務を続けられます。保険への加入により顧客からの信頼を高めることも可能です。

賠償責任保険のプランは、業務内容に合ったものを選択しましょう。以下の要素を検討する必要があります。

  • 免責額
  • 補償限度額
  • 業種に応じたリスク
  • 保険料

業界団体や専門団体が提供する割引保険もあるため、情報収集を行ったうえで適切な保険を決めましょう。

まとめ

まとめ

フリーランスにとって、保険は万が一のリスク、大きな損失への備えのために重要です。会社員ほど社会保障が充実しておらず、会社が責任を取ってくれることもありません。

フリーランスの公的保険としては、国民健康保険と国民年金への加入が必須です。任意継続被保険者制度を利用して、期間限定で前職の健康保険を継続することもできます。

一方で、公的保険だけではカバーできないリスクもあります。そのため、必要に応じて民間保険を利用して、不足分の備えをカバーするのがおすすめです。医療保険や死亡保険(生命保険)、賠償責任保険など、自分の仕事やライフスタイルに合わせて保険を選択できます。

安心して事業活動に集中するためにも、公的保険や民間保険を活用しつつ、あらゆるリスクへの備えを万全にしておきましょう。