【ITエンジニアの平均年収は?】年収を左右する要因と年収アップの方法

【ITエンジニアの平均年収は?】年収を左右する要因と年収アップの方法

ITエンジニアが年収をアップするためには、要因と方法を知ることが重要です。

この記事では、IT業界の年収実態から年収を左右する要因、年収アップの方法まで解説します。記事を読めば、ITエンジニアの年収アップ方法がわかります

ITエンジニアの年収

ITエンジニアの年収は職種や経験、スキルによって大きく異なります。年収はキャリア形成における重要な要素です。ITエンジニアの年収について以下を解説します。

  • ITエンジニアの平均年収
  • 職種別の年収差
  • 経験年数による年収の違い

ITエンジニアの平均年収

日本におけるITエンジニアの平均年収は400〜600万円ですが、さまざまな要因で変動します。新卒のITエンジニアの年収は通常300〜350万円です。

初級職のプログラマーやシステムエンジニアから経験を積んだ場合、年収は350〜450万円が一般的です。中堅レベルに達すると年収は500〜700万円へと上昇が見込まれます。

経験を積んで上級レベルやマネージャークラスになると平均年収は700万円以上です。特定の需要が高いスキルを持つ専門家は1,000万円以上を得ることもあります。

職種、経験年数、持っているスキルによって年収は大きく異なる点に注意が必要です。

» ITエンジニアとは?仕事内容と年収、必要なスキルを解説!

職種別の年収差

ITエンジニアの職種によって、年収には大きな違いがあります。データサイエンティストやAIエンジニアのような専門性が高い職種は、年収1,000万円以上になる方も多いです。

プログラマーやテクニカルサポート・ヘルプデスクは、平均年収が400〜500万円と相対的に低い傾向があります。システムエンジニアやセキュリティエンジニア、データベースエンジニアは、平均年収が500〜600万円と中間に位置します。

ITコンサルタントやプロジェクトマネージャーのような上位のポジションを担う人々は、高い年収を得ているのが特徴であり、年収1,000万円以上も多いです。職種選びは年収に大きく影響します。

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経験年数による年収の違い

ITエンジニアの年収は経験年数によって大きく変動します。新卒から3年目までの初級エンジニアは、基本的なスキルに注力する時期であり、年収は比較的低めです。3〜5年の実務経験を経てスキルが向上し、中級エンジニアになると年収もアップします。市場価値が上がるため、自社で昇給・昇格が難しい場合は転職や独立も検討しましょう。

経験を積んで上級エンジニアやマネージャーに昇格すると、年収はより大きく増加します。管理職ではリーダーシップやマネジメントスキルが重要視され、年収アップに直結することが多いです。技術の専門性を高めることでも、年収をアップすることが可能です。

経験年数にかかわらず、高度な専門技術や市場で求められる希少なスキルを持つエンジニアは、高年収を得る可能性があります。コミュニケーションスキルやリーダーシップも重視されるため、スキルの向上で年収アップが期待できます。

ITエンジニアの年収を左右する要因

ITエンジニアの年収は、複数の要素によって大きく変わります。年収を左右する要因を理解することは、適切な報酬を得るために重要です。

年収に大きな影響を与える要素は以下のとおりです。

  • スキル・資格
  • 業界・企業規模
  • 地域差

自己のスキルやキャリアを考慮して最適な職場で働くことが、年収を最大化する鍵になります。

スキル・資格

ITエンジニアの年収に大きく影響するのは「スキル・資格」です。現代の技術が急速に進化する中で、専門的な知識や技術は欠かせません。プログラミング言語の習得は、大きな利点になります。Java、Python、JavaScriptなど、市場で需要の高い言語をマスターすることが重要です。

実務経験も同様に価値があり、システム開発やウェブ開発の経験は、技術の理解と応用力として評価されます。データベース管理も需要があるスキルの一つで、SQLやNoSQLを使いこなせることが期待されます。クラウドサービス、ネットワーク、セキュリティといった分野の専門知識も重要です。

保有資格は知識やスキルの証明として認識されます。基本情報技術者や応用情報技術者、データベーススペシャリストといった情報処理技術者の国家資格は、知識の幅と深さを証明できます。

知識や技術などのハードスキルに加え、コミュニケーション能力やチームワークなどのソフトスキルも、エンジニアのキャリアに不可欠です。問題解決能力、プロジェクト管理能力、最新技術の継続的な学習は、年収アップに直結します。自己研鑽を積み重ねることでスキルや資格を身に付け、より高い年収を目指しましょう。

業界・企業規模

ITエンジニアの年収は、業界や企業の規模によって大きく異なります。大手企業や外資系企業に勤務する場合は年収が高い傾向にあります。スタートアップやベンチャー企業では、将来的な報酬を見込めるのが特徴です。

中小企業や地方の企業では大手に比べて基本給は低めですが、報奨金の制度を活用するなどして年収を補うことが可能です。IT業界特有の高収益企業では、業績に応じて高額のボーナスが支給されることもあります。

小規模企業では役職に就く機会が早く、年収アップにつながりやすいです。大企業の福利厚生や教育制度は年収に良い影響を与えることがあります。特定の高度な技術力を持つエンジニアは高額な報酬を得やすいため、年収アップのために技術を習得することは効果的です。

地域差

ITエンジニアの年収は地域によって異なります。都市部と地方では、差が顕著に現れることがあります。年収が高くなる大きな要因は、首都圏などの大都市にはIT企業が多いためです。東京や大阪のような都市では、IT企業同士の競争も激しく、優秀な人材を確保するために高い年収が設定されます。

地方都市では生活コストが低い分、給与水準も低めに設定されるのが一般的です。しかし、地方に本社を置くIT企業が高年収を提供する例もあります。企業が特定の技術やサービスに特化した強みを持っている場合です。

リモートワークの普及により、地方で働くITエンジニアの年収も上昇傾向にあります。地域差が縮小する可能性が見込まれます。地方での生活コストを考慮すれば、実質的な手取り額の観点からも魅力的な選択肢です。

ITエンジニアの年収アップのポイント

ITエンジニアの年収を上げるためには、以下のポイントが重要です。

  • スキルアップと資格取得
  • 転職を活用した年収交渉
  • フリーランスとしての独立

スキルアップと資格取得

スキルアップと資格取得は、ITエンジニアの年収を高める重要なポイントです。プログラミング言語の習得は基礎であり、さらにシステム開発手法やデータベース管理の知識が求められます。クラウドサービス、セキュリティ、ネットワークに関する認定資格を取得することで、専門性を示し市場価値を高められます

以下のスキル習得や資格取得も年収アップに効果的です。将来のキャリアにおいて重要度は高いです。

  • プログラミング言語の習得(例:Java、Python、JavaScript)
  • システム開発手法の理解(例:アジャイル、スクラム、ウォーターフォール)
  • データベース管理・SQLの知識とスキル
  • フロントエンド・バックエンドの知識とスキル
  • コンテナ技術の知識とスキル(例:Docker、Kubernetes)
  • AI・機械学習関連の知識とスキル
  • データ分析・データサイエンスの知識とスキル
  • ソフトスキルの向上(例:コミュニケーション能力、問題解決能力、リーダーシップ)
  • 情報処理技術者の国家資格取得(例:基本情報技術者、応用情報技術者)
  • クラウドサービス(AWS、Azure、GCP)の認定資格取得
  • セキュリティ関連の資格取得(例:CISSP、CISM)
  • ネットワーク技術の資格取得(例:CCNA、CCNP)
  • プロジェクト管理の資格取得(例:PMP、PRINCE2)
  • ITエンジニア用のオンライン講座や研修の活用
  • 専門的なコーチングの受講やメンターとの交流
  • 定期的な技術ブログの執筆やコミュニティ活動による知識共有

資格取得の効果は実務での活用次第で大きく変わります。実務経験と組み合わせることで、知識・スキル・資格が真の価値を発揮し、年収アップが期待できます

転職を活用した年収交渉

転職を通じて年収交渉を行う際は、まず現職での年収を明確にすることが重要です。自分のスキルと経験に基づいた適正な年収を理解することで、有利な交渉を進められます

自身の市場価値を正しく評価し、より良い条件を引き出すためには、複数の企業と交渉することが有効です。現職での実績と転職による価値向上をアピールすることが、年収アップの鍵になります。交渉では具体的な数字や条件を伝えることが大切です。入社後の昇給・昇格制度もしっかり確認しておきましょう。

転職活動をした結果、今は転職しないという結論に至っても得るものは大きいです。転職活動で得た年収アップの可能性は現職での交渉材料になるため、戦略的に活用しましょう。タイミングを見計らった転職は、キャリアアップと年収アップを同時に実現する効果的な手段になります。

フリーランスとしての独立

フリーランスとしての独立は、専門性を活かした働き方として魅力的です。自分のスキルや経験に基づいて、柔軟かつ自由な働き方を選択できることが大きなメリットです。ITエンジニアがフリーランスを目指す場合、方向性は大きく分けて2種類あります。

  • 自分で営業して顧客を獲得し、請負や準委任など臨機応変に契約を結び、事業の成長と安定を目指す
  • フリーランスエージェント経由で準委任契約を結び、会社員に近い安定性重視の働き方を目指す

どちらを目指すかによって、必要となる能力が変わります。難易度が低いのはフリーランスエージェント経由のキャリアプランです。案件獲得のためのSNS活用をはじめとする営業活動が必要ありません。請負契約はほとんどなく、仲介手数料が発生しますが、それらのデメリットを上回る利便性と安定性が魅力的です。

自分で営業するスタイルのフリーランスを目指す場合、ケジュールを自己管理し、さまざまな顧客と同時に仕事をする能力が必要です。顧客は実績を重視するため、ポートフォリオサイトで成果物や実績をアピールしてください。自己アピールのためにSNSの活用も欠かせません。

報酬に関しては、スキルや経験に応じて企業勤務を上回る年収を得られる可能性があります。ただし、社会保険や退職金などの福利厚生を自分で準備する必要があるため、計画性が重要です。税務や法務の知識が必要な場合もあり、会社員と比べて収入の安定性は低くなります

年収アップにつなげるためには、自身の時間を効率的に管理し、生産性を上げることが重要です。長期的なキャリア計画が成功の鍵になります。

» フリーランスとは?自由な働き方のメリット・デメリット

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ITエンジニアの将来性と年収

ITエンジニアの将来性は明るいと言えます。理由は以下のとおりです。

  • ITエンジニアの需要は年々高まっている
  • 専門性を高めることで年収アップのチャンスがある

技術革新に伴う新しい職種の出現が、将来的なキャリアの選択肢と年収アップにつながる可能性もあります。

ITエンジニアの需要は年々高まっている

デジタルトランスフォーメーション(※1)の進展とともに、ITエンジニアの需要が年々高まっています。新技術の導入やビジネスモデル変革のために、人工知能(Artificial Intelligence)やIoT(Internet of Things)分野に精通したITエンジニアが求められています

(※1) デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、デジタル技術によって生活や事業を変革することです。IT化の目的が業務効率化であるのに対し、DXの目的はビジネスモデルやサービス自体の変革による企業成長(売上拡大)にあります。例えば、メルカリやUberEatsなどのサービスが挙げられます。

サイバーセキュリティの脅威(※2)が増大し、専門家の需要は急増中です。企業は顧客情報の保護や事業の安全性確保に力を入れています。リモートワークやオンライン事業の普及が進むことで、ITインフラの専門知識がますます重要になっていきます。

(※2) サイバーセキュリティの脅威とは、インターネットなどのネットワークを通じて行われる情報の窃取や改ざん、システムの機能停止といったサイバー攻撃のことです。インターネットの普及に伴って脅威が増大しており、サイバー攻撃を防ぐための対策や手段(サイバーセキュリティ)が欠かせません

新しい商品やサービスの市場投入に伴うスタートアップや技術開発のために人材が必要です。経済のグローバル化が進むと、国際的なプロジェクトへの参加機会も増え、ITエンジニアの活躍の場は世界規模で広がっています

データを活用した意思決定がビジネスの主流となり、データサイエンスや分析能力を持つエンジニアも需要が高いです。専門性を高めることで、より多くのチャンスをつかめます

» ITエンジニアに向いている人・向いていない人の特徴

専門性を高めることで年収アップのチャンスがある

ITエンジニアの年収をアップさせる重要な要素は専門性を高めることです。知識や技術の専門性で市場価値を高めれば、より多くの企業から求められる存在になれます。高度な専門性を持つITエンジニアは希少価値が高いです。給与・報酬も相対的に高くなる傾向があります。

専門性を高めることで、プロジェクトリーダーといった上位ポジションに就任できる機会も増えます。上位ポジションに就任できれば、年収も相対的にアップする可能性が高いです。最新の技術や専門知識が年収アップに直結することもあり、キャリアの選択肢の幅も広がります。

専門性を高めるためには、継続的な学習と実践が必須です。目標設定と計画的なキャリア形成も重要です。専門性を高めて、戦略的に年収アップの機会を増やしましょう。

ITエンジニアとして最大限の年収を得る方法

ITエンジニアとして最大限の年収を得るためには、以下のポイントが重要です。

  • 目標設定と計画的なキャリア形成
  • 人脈とブランディング
  • 継続的な学習と市場価値の維持

目標設定と計画的なキャリア形成

キャリアを形成するうえで重要なのは、自分自身の目標を明確に設定することです。目標があると、キャリア形成の計画が立てやすくなります。具体的な数字と期限を掲げて目標を設定するのがおすすめです。

計画的なキャリア形成を行うためには、自分の将来像をしっかり描く必要があります。どのような職に就きたいのか、目標に到達するために必要なスキルや経験を考えることが大切です。目指すべき道がはっきりし、必要な行動を取りやすくなります。定期的に自分自身で振り返りを行い、計画通りに進んでいるかチェックしてください。

人脈とブランディング

人脈は、ITエンジニアとしてキャリアを築くうえで欠かせない要素です。業界内での知名度を高められるため、良い仕事を見つける助けになります。個人ブランディングを意識することで、プロフェッショナルとしての自分自身の価値を高められます。

人脈を作るためには、LinkedInなどのSNSを活用しましょう。自分のプロフィールを充実させ、積極的に関連するコンテンツを発信することが重要です。業界イベントやカンファレンス(大規模な会議)に参加することも、新しい人脈を作る良い機会になります。

ブログやSNSといったソーシャルメディアを通じて、自身の専門知識や経験を共有することは、専門家としての地位確立や信頼獲得に効果的です。ポートフォリオを定期的に更新することで、自分の成果と能力を可視化できます。魅力的なプロフェッショナルとして、個人ブランドの強化にもつながります。

コーチングやメンターシップを通じて他のエンジニアとの関係を深めることも、人脈を広げるうえで有効です。人脈とブランディングを通じて、ITエンジニアとしての価値を高めることは、将来高い年収を得るために重要です。市場での競争力を保つことにもつながります。

継続的な学習と市場価値の維持

ITエンジニアとしての市場価値を維持し、年収をアップさせるためには継続的な学習が重要です。技術の進化が速いIT業界では、最新のトレンドを把握し、常に知識やスキルを最新化していく必要があります

プログラミング言語やフレームワークの知識はオンライン講座でも学べます。専門性を高めるためのセミナーやワークショップへの参加も有効です。ピアレビュー(技術者同士のレビュー)やコミュニティへの参加を通じて知識を共有しフィードバックを得ることも、継続的な学習の役に立ちます。

コーチやメンターからの指導を受けると、知識と経験を深められます。自己成長を確認するため自分のキャリア目標を定期的に見直すことも大切です。将来性のある分野に注目し、関連する知識やスキルを習得することで、より高い年収を目指しましょう。

プロフェッショナルな人脈を構築し、情報交換を行いながら新たな機会を探ることで、年収アップが期待できます。個人ブランドを構築し市場での認知度を高める活動も、高年収につながります

まとめ

ITエンジニアの年収は、職種や経験年数によって大きく異なります。スキル習得や資格取得、転職、フリーランスへの転向などが、年収アップに効果的です。

市場の需要が高まる中で、専門性を高めることが年収アップに直結します。目標を設定し、計画的なキャリア形成を心がけることが重要です。ITエンジニアとして年収をアップするためには、継続的な学習で市場価値を維持し、人脈と個人ブランドを作り、より良いキャリアを築く努力を続けましょう