「ITエンジニアはやめとけ」と言われ、ITエンジニアになるべきか迷っている人は多いです。
この記事では、ITエンジニアの現実や報酬について詳しく解説します。適切な準備とマインドセットがあれば、ITエンジニアとして成功することは可能です。
記事を読めば、ITエンジニアに対する理解が深まり、自分に合ったキャリアを選択できるようになります。
ITエンジニアは「やめとけ」と言われる理由
ITエンジニアには多くの魅力がありますが「やめとけ」と言われる場合があります。ITエンジニアは「やめとけ」と言われる理由は以下のとおりです。
- 労働環境が厳しい
- 所得が仕事量に見合っていない
- 最新の技術を学び続けないといけない
ITエンジニアとして働く際は、これらの課題に対処できるかをしっかりと考慮する必要があります。
労働環境が厳しい
ITエンジニアの労働環境は厳しいことも少なくありません。残業や休日出勤が発生したり、システム障害の復旧作業や致命的なバグの修正に追われたりすることもあります。一方で、すべてのITエンジニアの労働環境が厳しいわけではありません。プロジェクトの納期など、時期によっても異なります。
厳しい労働環境になりやすい条件を予め把握しておくことが大切です。代表例を以下に記載します。
- ブラック企業である
- プロジェクトが炎上(破綻)している
- 残業することが当たり前になっている
- 開発スケジュールが短い
- 開発リソース(人材やモノ)が不足している
- 顧客や上司が厳しい・無理難題を押し付けてくる
- 要件・仕様・設計が曖昧なまま開発が進んでいる
- システムの設計や実装に致命的な欠陥や負の遺産がある
- 保守・運用の負担が大きいシステムである
- 属人化しているシステムや業務フローがある
- 離職率が高く、新人教育や中途採用をしても後続が育たない
- 今の自分の知識と技術では対応できない業務である
以上のような条件において、労働環境は厳しくなりやすいです。インフラや命に関わるシステムを扱っている場合も厳しくなりやすいです。就職・転職・案件獲得の際には、その会社やプロジェクトが条件に当てはまるかどうか意識しておくことをおすすめします。
厳しい労働環境になりやすい条件を把握していれば回避率が高まります。それでも気付けなかった場合や避けられなかった場合は、早めに脱出するのが賢明です。耐えられそうなら、しばらく働いて経歴に傷をつけない選択肢もあり、乗り越えられれば経験値にもなります。ただし無理は禁物です。
IT業界にいる限り、納期や障害による残業やストレスを完全に排除することはできないため、一時的な厳しさは許容できる精神と体力が必要です。ITエンジニアとしてのキャリアを考える際は、一時的な厳しい労働環境に耐えられるか慎重に考慮しましょう。
所得が仕事量に見合っていない
IT業界では、所得が仕事量に見合っていないことがよくあります。多くのITエンジニアが高い技術力を持ちながら、市場の所得水準に満足していません。仕事の量や負担の大きさが所得に反映されていないためです。多くの残業をしても、残業時間が所得に反映されないことは珍しくありません。
スタートアップや中小企業では、資金の制約で所得が低く設定されがちです。業界によっては、ボーナスや昇給の頻度が低く、不満を持つエンジニアもいます。所得が仕事量に見合っていない状況は、モチベーション低下につながり、職場での満足度やキャリア展望に悪影響を及ぼします。
実務経験が3年以上ある場合は、転職や独立も1つの選択肢です。需要の低い知識や技術でない限り、転職や独立で所得をアップすることは難しくありません。
最新の技術を学び続けないといけない
技術の進化は止まらないため、ITエンジニアとしてキャリアを維持するには、最新の技術を学び続けなければなりません。新しいプログラミング言語やフレームワークが次々と登場する現代では、技術を追いかけつつ理解し、適用する能力が必要です。
IT業界の標準やセキュリティ対策も常に更新されており、学びが遅れると仕事の効率やクオリティに影響します。技術の変化に適応できない場合、プロジェクト参画の機会を逃したり、キャリアが停滞したりする可能性があります。
» ITエンジニアとは?仕事内容と年収、必要なスキルを解説!
ITエンジニアとして働くメリット
ITエンジニアとしてのキャリアを考える際には、メリットを参考にしましょう。ITエンジニアとして働くメリットは以下のとおりです。
- 高い所得水準を目指せる
- 自由度が高い働き方ができる
- 多様なキャリアパスが存在する
高い所得水準を目指せる
ITエンジニアとして働く大きなメリットの1つは、高い所得水準が期待できることです。IT業界では高度な技術力が求められるため、技術力の高い人材には高額な報酬が支払われる傾向があります。データサイエンスやAI、クラウドコンピューティングなどの専門技術を持つエンジニアは、さらに高所得を得られます。
スキルと経験が増すにつれて昇給や昇格の機会も増え、キャリアを積むほどに所得が向上する点が魅力です。フリーランスとして独立する道もあり、個々の能力や実績によっては高額な報酬を得られます。
大手や新興のIT企業では、特に高い給与体系が一般的です。高所得を目指すうえで、大手や新興のIT企業は魅力的な選択肢です。ITエンジニアとしてのキャリアは、スキルと経験に応じた高所得を実現できます。
自由度が高い働き方ができる
働き方の自由度が高いことは、ITエンジニアとしての大きなメリットです。IT業界ではリモートワークやフレックスタイム制が進んでおり、制度を導入している会社では、時間や場所に縛られずに働けます。
家庭の事情や趣味の時間を大切にしながら、効率的に仕事を進めましょう。プロジェクトベースの仕事が多く、自己管理のもと作業時間を自由に調整できるため、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。
グローバルな案件に携わることも多く、国際的な環境での仕事経験も積めます。ITエンジニアは、キャリアやライフスタイルに合わせて、柔軟に働き方を選べる職種です。さらに柔軟で自由な働き方を求める場合は、独立してフリーランス・個人事業主という働き方もおすすめです。
多様なキャリアパスが存在する
ITエンジニアのキャリアパスは多岐にわたります。IT業界は急速に進化し、多くの職種や働き方が生まれているため、個々の興味やスキルに合わせた職業選択が可能です。
技術志向の方はプログラマーやシステムエンジニア、データサイエンティストとしてキャリアをスタートできます。管理や戦略に興味がある方は、プロジェクトマネージャーやITコンサルタントを目指しましょう。専門知識や技術を深めると、さらに上の段階へ進めます。
ITエンジニアは働き方も柔軟に選べるため、ワークライフバランスを保ちながらキャリアを築くことが可能です。キャリアパスや働き方の多様性は、スタートアップから大企業まで、さまざまな企業で活躍する場があることを意味します。ITを通じてあらゆる分野の事業に携わることが可能です。
ITエンジニアが向いていない人の特徴
ITエンジニアとしてのキャリアには多くの魅力がありますが、すべての人に適しているわけではありません。ITエンジニアが向いていない人の特徴は、以下のとおりです。
- 勉強が苦手な人
- 自己管理ができない人
- 柔軟性に欠ける人
- コミュニケーション能力が低い人
勉強が苦手な人
勉強が苦手な人は、ITエンジニアに向いていません。ITエンジニアには常に新しい知識や技術が求められるため、継続的な学習が不可欠です。
新しい問題解決手法やツールを定期的に学ぶことも重要です。自分で学んだりオンライン講座を利用したりして、最新の知識を更新し続ける学習意欲が欠かせません。自発的な学習意欲が低い人や、新しい情報を吸収するのが苦手な人には、ITエンジニアは難しい職業です。
自己管理ができない人
自己管理ができない人は、ITエンジニアに向いていません。ITエンジニアの仕事は、自己管理能力が重要です。プロジェクトの期限内に計画的に仕事を進める必要があり、複数の作業を効率的にこなすスキルが求められます。
ITエンジニアは日々の業務で長時間集中を保つ力も重要です。自己管理スキルが欠けていると、プロジェクトの遅延や品質の低下を引き起こすリスクが高まり、キャリアに悪影響を与えます。
仕事とプライベートのバランスを上手く取ることも、ストレスを管理しながら持続可能なキャリアを築くうえで重要です。自己管理が苦手な状態では、ワークライフバランスを保つことが困難になります。
柔軟性に欠ける人
柔軟性に欠ける人は、ITエンジニアに向いていません。IT業界は常に変化しており、新しい技術やツールが頻繁に登場します。変化に柔軟に対応できない人は、急なプロジェクトの変更や技術の更新に適応するのが難しいです。パフォーマンスの低下やストレスの増大につながります。
プロジェクトの要求が変更された場合、柔軟性がある人は新しい要求に応じてすぐに対応策を考え、実行に移せます。柔軟性に欠ける人は変更に抵抗を感じやすいです。変更への適応が遅れると、プロジェクト全体の遅延につながってしまいます。
柔軟性が不足していると、チーム内での協力や改善の障害にもなります。新しいアイデアや異なる意見に対して柔軟に対応できないと、チームの中で孤立する可能性が高いです。個人だけでなく、チーム全体の成果にも悪影響を及ぼしかねません。
ITエンジニアとして成功するためには、柔軟性を身に付け、常に学び続ける姿勢が重要です。自分がIT業界やプロジェクトの変化に柔軟に対応できるかを見極めましょう。
コミュニケーション能力が低い人
コミュニケーション能力が低いと対人関係で誤解が生じやすく、チームでの協力やプロジェクトの進行に支障をきたします。チームメンバーからの指示やフィードバックの理解不足が、仕事の効率性や改善を妨げます。
コミュニケーション能力が欠けている場合、相手の意図や感情を正しく読み取れません。職場で孤立を感じやすく、仕事のモチベーション低下や職場の人間関係が悪化します。ITエンジニアを目指すのであれば、コミュニケーション能力が低いと自覚している方は、意識的な改善の努力が重要です。
「やめとけ」の声に負けずITエンジニアを目指す際のポイント
ITエンジニアを目指したい場合、自分自身で情報を集めて判断しましょう。「やめとけ」の声に負けずにITエンジニアを目指す際のポイントは、以下のとおりです。
- 実際の労働環境をリサーチする
- 学習意欲を持つ
- ストレスマネジメントを習得する
- 就職先を慎重に選ぶ
実際の労働環境をリサーチする
実際の労働環境のリサーチは、ITエンジニアとしてのキャリアを成功させるために重要です。労働時間や勤務体系、職場文化、健康と福祉の支援、キャリア成長の機会など、職場の実情をしっかりと把握しましょう。
長時間労働が常態化している会社では、私生活や健康が犠牲になる可能性があります。リモートワークや柔軟な勤務体系を提供している会社では、ワークライフバランスを保ちやすいです。労働環境に関する情報は、職場選びにおいて重要な判断基準です。
企業が提供する教育プログラムやキャリア成長の支援の有無も、自己成長と職業的な満足感に影響を与えます。実際のITエンジニアからのインタビューやケーススタディを参考にすると、内部の環境をより深く理解できます。事前に情報を収集し、自分にとって最適な労働環境を見極めてください。
学習意欲を持つ
学習意欲を持つことは、ITエンジニアとして成功するうえで重要です。IT業界は日々進化しており、新しい技術やプログラミング言語が次々と登場しています。
常に最新の知識を学び続ける積極的な姿勢が求められます。新しいプログラム言語が登場した場合、迅速に学び、実務に活かす能力が必要です。未知の問題に直面したとき、自ら解決策を学んで理解することができれば、プロジェクトを成功に導けます。
自己成長のためには、学習の時間やコストを確保する必要があります。学びたい分野に関連する書籍やオンライン講座、ワークショップなどの学習リソースを上手に活用しましょう。さまざまなリソースを適切に利用すると、効率的かつ効果的に新しい知識を身に付けられます。
ストレスマネジメントを習得する
ストレスマネジメントの習得は、ITエンジニアとして長く働くために重要です。ストレスは仕事のパフォーマンスに大きく影響し、私生活にも多くの問題を引き起こします。
ストレスの原因を特定し効果的に対処する方法を学ぶと、仕事の効率も上がり、生活の質も向上します。効果的なストレス管理法は、以下のとおりです。
- 日光を浴びること
- お風呂に浸かること
- 適切な休息と良質な睡眠を取ること
- 継続的に運動とストレッチをすること
- 趣味を持つこと
- 自分の理解者を得ること
- ストレスの原因を書き出すこと
- マルチタスクを極力避けること
ストレスマネジメントを習得すると、日常生活におけるストレスの量を減らせます。適切な計画とスケジューリングによって、仕事とプライベートの時間を効果的に分け、ストレスを抑制・解消しましょう。
就職先を慎重に選ぶ
就職先を慎重に選ぶことは、キャリアの成功に大きく影響します。自分に合った環境で働くことで、仕事の効率が上がり、長期的なキャリア形成が可能です。特に、前述している「厳しい労働環境になりやすい条件」は把握しておくことをおすすめします。
ほかに重要なポイントとしては、企業文化や価値観が自分と合っているかを確認しましょう。業界内での会社の成長性や安定性も評価しましょう。従業員の福利厚生や働き方の柔軟性、リモートワークの可否などの条件もしっかりと確認してください。
過去の従業員の会社に対する評価やレビューも参考にすると良いです。ポイントを押さえ、自己のキャリアプランに合った会社を選ぶことが、ITエンジニアとしてキャリアを積むための第一歩です。
まとめ
ITエンジニアは高所得の可能性や働き方の自由度、多様なキャリアパスなど、魅力的なメリットが多くあります。一方で、労働環境の厳しさや継続的な学習の必要性から、一部ではネガティブな意見も存在します。「やめとけ」の声に負けず、ITエンジニアを目指すには、継続的な努力と覚悟が必要です。
労働環境やキャリアの展望をしっかりリサーチし、学習意欲を持ち続け、ITエンジニアを目指しましょう。