「Webエンジニアになりたいけど、何から始めればいいかわからない」という人は多いです。
この記事では、Webエンジニアの仕事内容や必要なスキル、学習方法、年収、就職・転職市場を詳しく解説します。記事を読めば、Webエンジニアになるための知識が得られます。
具体的なステップを把握して、Webエンジニアへ一歩前進しましょう。
» ITエンジニアとは?仕事内容と年収、必要なスキルを解説!
WebエンジニアとはWebサイトやWebアプリケーションを開発する職業
Webエンジニアとは、WebサイトやWebアプリケーションを開発する職業です。Webエンジニアには3つの職種があり、フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア、フルスタックエンジニアに分かれます。
Webエンジニアについて以下を解説します。
- Webエンジニアの仕事内容と魅力
- フロントエンドエンジニアの仕事内容
- バックエンドエンジニアの仕事内容
- フルスタックエンジニアの仕事内容
- Webエンジニアと他のIT職種との違い
- スタートアップ企業におけるWebエンジニアの就業環境
- 大手企業におけるWebエンジニアの就業環境
Webエンジニアの仕事内容と魅力
Webエンジニアの主な仕事内容は、以下のとおりです。
- WebサイトやWebアプリケーションの設計
- 開発
- テスト
- 運用・保守
Webエンジニアの魅力は、Webシステムの設計から開発やテスト、運用・保守まで幅広い技術が習得できる点です。フロントエンドの見た目と動きを実装したり、バックエンドのデータ管理や処理を実装したりします。
Webエンジニアは、プロジェクトマネージャーやデザイナー、他のエンジニアと協力しながら仕事を進めます。アジャイル開発手法(※1)が多用されるため、柔軟かつ効率的なプロジェクト運営が可能です。Webエンジニアとして活躍するには、新しい技術の習得や、チームとのコミュニケーション能力も重要です。
Webエンジニアは、学んだ技術を実際のプロジェクトに活用できる機会が多いため、創造性を生かしたサービスが作れて、自己実現を感じられます。アイデアやデザインが形になることは、エンジニアにとって大きな喜びです。
Webエンジニアの就業環境には、オフィス勤務とリモートワークがあります。フレックスタイム制を導入している企業もあり、働きやすい環境が整っています。リモートワークを実現しやすい職種のため、仕事の場所を選ばないことも多いです。仕事とプライベートの両立や、自由なライフスタイルを求める人に適しています。
スキルアップや新技術の習得、創造性の発揮、柔軟な働き方など、Webエンジニアには魅力が多いです。Webエンジニアは多様な技術と柔軟な働き方を活かして、クリエイティブで充実したキャリアを築けます。
※1 アジャイル開発手法とは、従来の開発手法に比べて短い期間で開発サイクルを繰り返しながらシステム開発を進める手法のことです。
フロントエンドエンジニアの仕事内容
フロントエンドエンジニアの仕事内容は、WebサイトやWebアプリケーションの見た目と動きを作ることです。ユーザーが直接触れる部分の開発に注力し、使いやすく魅力的なインターフェースの設計と実装を行います。主な仕事内容は以下のとおりです。
- ユーザーインターフェース(UI)(※1)の設計
- ユーザーエクスペリエンス(UX)(※2)の改善
- HTMLやCSS、JavaScriptを使用したサイトの構築
レスポンシブデザインを通じて、さまざまなデバイスで表示できる技術も重要です。フロントエンドエンジニアは技術を用いて、Webページが効率的に速く動作するように最適化を図ります。
APIを利用したデータの取得や表示処理も行います。新しい技術やツールの研究、導入もフロントエンドエンジニアの大切な業務です。
技術の進化は速いため、常に最新の情報をキャッチし、プロジェクトに最適な方法を見つけ出すことが大切です。フロントエンドエンジニアは技術的なスキルはもちろん、創造性と問題解決能力を活かせます。
※1 ユーザーインターフェース(UI)とは、ユーザーとの接点のことです。サイトの見た目や使いやすさを指します。
※2 ユーザーエクスペリエンス(UX)とは、ユーザー体験のことです。サイトを利用する前から利用した後までを含む全体的な印象や感動を指します。
バックエンドエンジニアの仕事内容
バックエンドエンジニアの仕事内容は、WebサービスやWebアプリケーションの裏側で動くシステム(APIやデータベース)の設計や開発、運用をすることです。システムのパフォーマンスや安定性、セキュリティの確保も欠かせません。
バックエンドエンジニアはデータの整合性を保ち、バックアップを管理することでデータの安全を確保します。サーバーのメンテナンスやクラウドサービスとの統合作業も行います。システムがスムーズに動作し続けるための基盤を作ることが重要です。
フロントエンドエンジニアや他の開発チームメンバーと連携を取り、ユーザーが直面する問題解決の支援も行います。複数の技術領域にわたる知識とスキルを活用し、WebサービスやWebアプリケーションの開発全体を支える重要な存在です。
フルスタックエンジニアの仕事内容
フルスタックエンジニアは、フロントエンドとバックエンドの両方に精通しています。WebサイトやWebアプリケーションの設計から開発、運用まで担当できます。小規模プロジェクトやスタートアップ企業では、限られたリソースの中で、さまざまな技術的課題を解決する中核的な役割です。
フルスタックエンジニアは新しい技術を積極的に学び、適用する能力も求められます。プロジェクト全体のアーキテクチャの設計と最適化に関するスキルを身に付けることで、より効率的で効果的なシステムの構築が可能です。
Webエンジニアと他のIT職種との違い
Webエンジニアは他のIT職種と比べて、WebサイトやWebアプリケーションの開発に特化しています。ユーザーが直接触れるインターフェースの作成や、支えるサーバー側の技術に関わります。
他の代表的なIT職種は以下のとおりです。
- システムエンジニア:システム開発の全工程を管理・担当する職種。他のIT職種と両立し得る
- プログラマー:詳細設計からテストまでのソフトウェア開発に特化した職種
- インフラエンジニア:ITインフラ(ネットワーク、セキュリティ、クラウドなど)の設計・構築・運用・保守を行う職種
- アプリケーションエンジニア:主にスマホアプリ(iOS、Androidアプリ)の開発に特化した職種
- 組み込みエンジニア:車や家電、医療機器などに組み込むソフトウェア(ファームウェア)の開発に特化した職種
- AIエンジニア:AI関連のシステム・ソフトウェア開発に特化した職種
スタートアップ企業におけるWebエンジニアの就業環境
スタートアップ企業におけるWebエンジニアの就業環境は、チームが小さく、フロントエンドからバックエンドまで担当業務が幅広いです。限られたリソースの中で効率的な作業方法を常に考え、新しいツールの導入も迅速に行います。スタートアップの文化は、新しい技術やアイデアを試しやすい環境です。
自ら新しいことを学び、高い自律性と自発性を持つエンジニアにとって、スタートアップ企業の就業環境は魅力的です。多様な技術やアイデアを学びながら、製品に活用することができます。
キャリアの初期段階で経験を積みたいWebエンジニアにとって、スタートアップ企業は成長しやすい環境です。
大手企業におけるWebエンジニアの就業環境
大手企業におけるWebエンジニアの就業環境は、業務プロセスがしっかりと定型化されており、職務分担も明確です。新入社員でも業務の流れをすぐに把握して、効率的に仕事を進められます。セキュリティや高い運用基準が求められるため、厳格なルールやプロセスに従うことが必要です。
大手企業では、大規模なプロジェクトを遂行するためのチームが組まれます。チーム内での協働が重要視され、各メンバーの専門性を生かしながら進めることが大切です。社内の研修プログラムの充実や学習支援が整っているため、スキルアップしたり、最新のトレンドを学んだりできる機会があります。
長期的なキャリアパスを築きたいと考えるWebエンジニアにとって、大企業は魅力的です。定期的な昇進の機会があり、技術だけでなく、マネジメントスキルも磨けます。
Webエンジニアに必要な知識とスキル
Webエンジニアに必要な知識とスキルは以下のとおりです。
- プログラミング言語
- データベース知識
- フレームワークやライブラリ
知識とスキルを深めることで高度な開発ができて、多様なプロジェクトに貢献できます。
プログラミング言語
Webエンジニアにとって、プログラミング言語は必須のスキルです。以下のさまざまなプログラミング言語を必要に応じて習得します。
プログラミング言語 | 説明 |
HTML/CSS | Webページの構造やスタイルを定義する基本言語。正確にはプログラミング言語ではなく、マークアップ言語とスタイルシート言語。 |
JavaScript | クライアントサイドでの動的な挙動を実現するスクリプト言語 |
Python | Web開発、データ分析、機械学習などの用途で使用 |
Ruby | Ruby on Railsというフレームワークで知られ、迅速な開発が可能 |
PHP | サーバーサイドのプログラミングに用いられ、WordPressなどのCMSでも採用 |
Java | エンタープライズレベルのアプリケーション開発に広く使われている堅牢な言語 |
C# | Microsoftの.NETフレームワークで使われ、デスクトップからWebアプリケーションまで広範囲に渡る開発が可能 |
上記のプログラミング言語を学ぶことで、Webエンジニアとして幅広い業務に対応できます。
データベース知識
データベースは情報を体系的に整理して保存するシステムです。ビジネスや科学技術分野での利用が拡大しています。情報への迅速かつ効率的なアクセスが可能です。データベースの中でも、関係データベース管理システム(RDBMS)が使われます。
RDBMSでは表形式でデータを管理して、データにアクセスするためにSQLを使用します。主なRDBMSは以下のとおりです。
- MySQL
- PostgreSQL
- Oracle Database
- Microsoft SQL Server
データベースの設計は、データの整合性を保ちながらクエリ(※1)のパフォーマンスを向上させるために重要です。Webエンジニアにとって、データベースの種類や設計方法を理解することは重要です。適切なデータベースの知識とスキルを持つことで、効率的で信頼性の高いシステムを構築できます。
※1 クエリとは、SQLの命令文のことです。データベースに対してデータの検索、登録、更新、削除などを要求(命令)します。
フレームワークやライブラリ
Webエンジニアが効率的にプロジェクトを進めるには、適切なフレームワークやライブラリの選択が重要です。コードの再利用を促進して開発プロセスを効率化します。
Reactはユーザーインターフェースの設計に適したJavaScriptライブラリです。Angularはエンタープライズレベルのアプリケーション開発に適しています。Vue.jsは初学者にも扱いやすいです。DjangoはPython、Ruby on RailsはRubyで人気のフレームワークです。
フレームワークやライブラリを適切に活用することで、プロジェクトの品質が向上し、開発時間を短縮できます。
Webエンジニアになるための学習方法
Webエンジニアになるには、以下の継続的な学習が必要です。
- オンライン講座や教材学習
- コミュニティやイベントへの参加
オンライン講座や教材学習
オンライン講座や教材の利用は、自身のペースで学べて、特定の技術に特化したコンテンツが豊富です。Udemy(ユーデミー)やCoursera(コーセラ)は、初心者から上級者までのコースがあるため、自分のレベルに合ったコースを選べます。
Codecademy(コードアカデミー)やfreeCodeCamp(フリーコードキャンプ)では、実際のプロジェクトに近い形で対話をするような学習方法です。オンライン講座では、カリキュラムが最新の技術トレンドに基づいて定期的に更新されます。技術の進化に合わせて、最新の知識を身に付けることが可能です。
オンライン講座では、学習完了後に修了証や資格がもらえて、履歴書でアピールできます。無料で始められるオンライン教材もあるため、初期投資を抑えながらスキルを向上させることができます。時間や場所に縛られずに効率的に学習を進められる点も、オンライン学習の大きな利点です。
コミュニティやイベントへの参加
コミュニティやイベントへの参加は、最新の技術トレンドが学べて、交流を通じて新しい知識やアイデアが得られます。Meetupやテクノロジーカンファレンスに参加すると、業界の最前線で活動する専門家から直接学ぶことが可能です。
GitHubやStack Overflowといったオンラインプラットフォームがあります。世界中のエンジニアと知識を共有することで、技術的な問題が解決します。コードレビューイベントや技術ワークショップ、ブートキャンプに参加すると、技術力を向上させることが可能です。
コミュニティやイベントへの参加を通じて、Webエンジニアとしての実力を高めることができます。
Webエンジニアの年収と市場価値
Webエンジニアの年収と市場価値について次の3つを解説するため、参考にしてください。
- 年収相場と昇給の見込み
- スキル別、経験年数別の年収相場
- 年収アップへのアドバイス
年収相場の実態と昇給の見込み
Webエンジニアの年収相場は、経験や技術レベルに応じて以下のように異なります。
Webエンジニア | 年収相場 |
初級Webエンジニア | 300~400万円 |
中級Webエンジニア | 400~600万円 |
上級Webエンジニア | 700万円以上 |
エンジニアは技術スキルの向上によって昇給が期待できる状況です。Webエンジニアとして高い年収を目指すには、継続的な技術スキルの向上が重要です。
スキル別、経験年数別の年収相場
スキル別や経験年数別の年収相場を以下にまとめました。
スキル別(経験別) | 年収相場 |
初級フロントエンドエンジニア(経験3年未満) | 300~400万円 |
中級フロントエンドエンジニア(経験3~8年) | 400~600万円 |
上級フロントエンドエンジニア(経験8年以上) | 600万円以上 |
初級バックエンドエンジニア(経験3年未満) | 350~450万円 |
中級バックエンドエンジニア(経験3~8年) | 450~700万円 |
上級バックエンドエンジニア(経験8年以上) | 700万円以上 |
Webエンジニアの経験を積むと、年収は上がっていきます。Webエンジニアとしての技術向上が直接的に報酬に結びつきます。
フルスタックエンジニアは、フロントエンドとバックエンドの両方を兼ね備えていて年収が高いです。経験に応じて、年収は500~1,500万円の範囲です。
年収アップへのアドバイス
年収をアップさせるには、スキルと市場価値を高めることが重要です。最新のプログラミング言語やフレームワークの学習、業界認定資格の取得、プロジェクト管理能力の向上などです。スキルを身に付けることで、より高い役職に就けます。成果を明確に示すことで評価され、昇進や昇給が期待できます。
交渉力を身に付けることも大切です。労働条件や給与の交渉を適切に行うと、働きに見合った報酬を得られます。国際的なキャリアを積むことも視野に入れ、海外での勤務経験を持てれば、市場価値が高いです。
継続的な学習とスキルアップをすることで、常に技術の最前線にいられます。オンライン講座や定期的な研修も受けながらスキルを身に付け、仕事に活用しましょう。
Webエンジニアの就職・転職市場の動向
Webエンジニアの就職・転職市場は、IT業界の成長に伴い変化しています。Webエンジニアの就職・転職市場の動向について次の3つを解説します。
- IT業界の雇用状況と求人トレンド
- 未経験でも応募可能な求人の見つけ方
- 就職・転職を成功させるための活動
IT業界の雇用状況と求人トレンド
IT業界の雇用状況は、デジタル変革と技術進化の影響を受けて活発です。以下のスペシャリストの需要が高まっており、求人も増加しています。
- AI
- クラウドサービス
- サイバーセキュリティ分野
リモートワークの普及で、地理的な制約を超えて働くチャンスが増えています。特に、地方に住む人にとって大きな利点です。スタートアップから大企業まで、幅広い企業がITスキルを持つ人材を採用しています。独立して顧客や案件を獲得する選択肢もあり、多様なキャリアパスが構築できます。
IT業界では実務経験はもちろん、最新技術の知識が重要です。常にスキルを磨くことがキャリアアップにつながります。
未経験でも応募可能な求人の見つけ方
未経験でも応募可能な求人を見つけるには、オンライン求人サイトの活用が効果的です。検索フィルターで、未経験者でも応募できる職種を簡単に探せます。
企業のWebサイトを直接訪問したり、業界イベントに参加することで、人事担当者と直接話すことができます。求人の詳細をより深く知ることが可能です。
SNSやプロフェッショナルネットワークの活用も有効です。業界の人との接触を図れて、未公開の求人情報を得られます。方法を組み合わせることで、未経験者でも応募できる求人を効率よく見つけられます。
就職・転職を成功させるための活動
就職・転職を成功させるには、自己分析を行い、スキルや市場の需要を正確に理解することが基本です。自分に合った業界や職種を見極められ、面接時に自信を持って話せるようになります。履歴書や経歴書の作成に丁寧に取り組みましょう。履歴書や経歴書は、強みや経験をアピールするために重要です。
ネットワーキングを活用して、業界の人脈を築くことも大切です。実際に業界の人と接触することで、未公開の求人情報を得たり、キャリアのアドバイスを受けたりすることができます。転職サイトや転職エージェントを利用することで、多くの求人情報にアクセスできて、自分に合った職場が見つかります。
面接対策を徹底するには、模擬面接で回答を磨くことです。回答に対して想定される質問についても対策することをおすすめします。面接終了前の質疑応答や最後の一言(自己PRタイム)を見越して、質問や締めの自己PRを用意しておくと良いでしょう。面接対策を徹底することで、面接本番でのパフォーマンスが向上します。
まとめ
Webエンジニアとしてのキャリアを成功させるには、以下が重要です。
- 役割と仕事内容の理解
- 必要なスキルの習得
- 効果的な学習方法の選択
フロントエンド、バックエンド、フルスタックの具体的な役割と仕事内容を把握してください。
それぞれの領域で使うプログラミング言語や技術を学ぶ必要があります。オンライン講座やコミュニティへの参加を通じて、継続的に学び、スキルを磨きましょう。
IT業界の雇用状況や市場価値を理解して、就職・転職市場の動向を把握することで、より良いキャリアを形成するための行動ができます。
以上の要点を押さえて、Webエンジニアとしてのキャリアを成功させましょう。